
10月から猟期スタート|イノシシ有害鳥獣駆除と山に入る方へのお願い

早いもので9月に入りました。
まだまだ暑い日は続いていますが、私たち猟師にとっては「もうすぐ猟期が始まる」という、少しずつ気持ちが高まってくる時期でもあります。
私たちが所属する猟隊では、毎年10月の第1週目の土曜日から、翌年4月末の日曜日または祝日まで、許可を得た期間の中で猟銃・猟犬を使った有害鳥獣捕獲を行っています。
2026年度は、10月3日(土)からいよいよスタートです。
なお、この期間は一般的な狩猟期間とは異なり、私たちが許可を得て実施している独自の活動期間です。
オフシーズンの猟犬たちは何をしている?
猟期が終わってからの猟犬たちは、基本的にはゆっくりと過ごしています。
とはいっても、何もしないわけではありません。
毎日朝夕2回、散歩に連れて行っています。
そして、この散歩中に結構な確率で猟犬たちが突然、
「ワン!ワン!ワン!」
と、こちらからは何も見えない草むらに向かって吠え始めます。
一般の方から見ると、
「何に吠えているの?」
と思うかもしれません。
しかし、長年一緒に山を歩いていると、その反応でだいたい分かります。
草むらの中にイノシシが潜んでいるんです。
人間には見えなくても、猟犬たちは匂いや気配を感じ取っています。
実際、散歩中にイノシシそのものを目撃することもあります。
状況によってはイノシシをその場所から追い払うこともありますが、これは非常に危険です。
イノシシを見かけても、絶対に真似して追いかけたり、追い払おうとしたりしないでください。
特に成獣のイノシシは、人に向かってくる可能性もあります。
見かけた場合は距離を取り、刺激しないことが大切です。
猟期中は毎週土日祝に駆除活動を実施します
私たちの所属する猟隊では、猟期に入ると基本的に毎週土曜日・日曜日・祝日に、猟銃と猟犬を使った有害鳥獣捕獲活動を行っています。
当然ですが、何よりも優先するのは安全です。
人家の位置、道路、農作業をされている方、山に入っている方など、周囲の状況を確認しながら活動しています。
これまで私たちの猟隊では、猟銃を使用した活動において事故を起こしたことは一度もありません。
それでも「今まで事故がなかったから大丈夫」ではありません。
毎回が新しい現場だという意識を持ち、これからも安全第一で活動していきます。
山に入られる方へお願いがあります
有害鳥獣捕獲を実施する際には、活動場所周辺にお住まいの方などへ可能な範囲でお声がけをしています。
また、地域によっては回覧板などで、
「有害鳥獣捕獲を実施しますので、ご理解とご協力をお願いします」
といった案内が回っていることもあると思います。
しかし、山は広大です。
活動する山の周辺にいるすべての方へ、一人ひとり事前にお知らせすることは現実的には困難です。
そこで、山歩き、登山、山菜採り、農作業、林業などで山に入られる皆様にお願いがあります。
猟期となる10月から翌年4月末ごろまで、特に土日祝日に山へ入られる場合は、できるだけ目立つ服装を着用してください。
おすすめなのは、
黄色、オレンジ、赤など、山の中で目立つ色です。
反対に、茶色や黒、迷彩柄などは山の中では周囲に溶け込みやすくなります。
猟師側が安全確認を徹底することは当然ですが、山を利用する皆様にも目立つ服装で入っていただくことで、さらに安全性を高めることができます。
ぜひご協力をお願いいたします。
今年はウリ坊が非常に多い
そして今年、山を歩いていて特に感じることがあります。
ウリ坊が多い。
例年と比べても、今年はウリ坊を見かける機会が非常に多くなっています。
昨年度は記録的な不猟となり、私たちの現場でも例年とは明らかに違う状況でした。
その影響もあってか、今年は各所でウリ坊の姿を確認しています。
もちろん、箱罠などを使って幼獣を捕獲していくことも有害鳥獣対策として大切です。
しかし、個体数を抑制していくという視点で考えれば、それだけでは十分ではありません。
重要になるのが、繁殖力を持つ成獣の捕獲です。
成獣を捕獲するために猟銃と猟犬が必要
イノシシは非常に警戒心の強い動物です。
特に経験を積んだ成獣になるほど簡単には箱罠に入りません。
人の気配、罠の変化、周囲の環境などを警戒しながら行動します。
そのため、箱罠やくくり罠だけでは捕獲が難しい個体も存在します。
そうしたイノシシを山の中で探し出し、捕獲するために重要になるのが、猟犬と猟銃を使った捕獲です。
猟犬が山の中からイノシシの匂いを探し出し、人の目では確認できない場所にいる個体を発見します。
そして猟師が犬の動き、鳴き声、地形、周辺の安全状況を判断しながら捕獲します。
箱罠、くくり罠、そして猟銃・猟犬。
どれか一つだけではなく、それぞれの捕獲方法を適切に組み合わせていくことが、有害鳥獣対策では重要だと考えています。
有害鳥獣駆除へのご理解、ご協力をお願いします
イノシシによる農作物被害や生活圏への出没を減らすためには、継続的な捕獲が必要です。
しかし、有害鳥獣捕獲は猟師だけで完結するものではありません。
地域の皆様の理解と協力があってこそ、安全に活動することができます。
これから10月を迎え、私たちの猟隊も本格的な活動に入ります。
猟犬たちも、オフシーズンの散歩でイノシシの気配を感じながら、少しずつ猟期に向けて準備しています。
山に入られる皆様には、
「土日祝日は有害鳥獣捕獲を行っている可能性がある」
ということを少しだけ頭に置いていただき、黄色やオレンジなど目立つ服装で山に入っていただければと思います。
私たちもこれまで以上に安全確認を徹底しながら、有害鳥獣捕獲に取り組んでいきます。
今年の猟期も事故ゼロで。
そして地域の皆様の生活を守るために。
有害鳥獣捕獲へのご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。
