
【コンマ数秒の判断】こちらへ向かってきたイノシシを撃つ!引き金を引くまでに猟師が確認していること

イノシシが、こちらへ向かってくる。
距離は一気に縮まります。
考えている時間は、ほとんどありません。
しかし、だからといって「イノシシが来たから撃つ」わけではありません。
今回YouTubeで公開した動画には、私の方へ向かってきたイノシシを発砲し、捕獲した瞬間が収められています。
映像だけを見ると、ほんの一瞬の出来事です。
しかし、そのコンマ数秒の間に確認しなければならないことがあります。
今回の動画では、そんな有害鳥獣捕獲のリアルな現場をご覧いただけます。
▶ YouTube動画はこちら
https://youtu.be/1w5vrZHC7iY
イノシシがこちらへ向かってきた
山の中での猟犬を使ったイノシシ猟。
相手は野生動物です。
当然、人間の思い通りには動いてくれません。
今回、イノシシが私のいる方向へ向かってきました。
映像では、発見してから発砲するまで本当に一瞬です。
しかし、その一瞬の中でも、確認すべきことを確認せずに発砲することはできません。
私が引き金を引くまでに判断しているのは、大きく3つです。
① 本当にイノシシなのか
まず、撃とうとしている対象がイノシシであることを確認します。
山の中では草木や藪などによって視界が限定されることもあります。
「たぶんイノシシだろう」
では発砲できません。
対象を確認する。
これが大前提です。
② 猟犬が射線に入っていないか
私たちの猟では、猟犬とイノシシとの距離が短いです。
つまり、イノシシのすぐ近くに犬がいることが多々あります。
そのため、イノシシだけを見ていればいいわけではありません。
猟犬はどこにいるのか。
射線上に入っていないか。
それを確認します。
イノシシを捕獲するために発砲して、猟犬を傷つけてしまっては意味がありません。
猟犬と一緒に狩猟をする以上、犬の位置を把握することも非常に重要です。
③ その先に何があるのか――バックストップの確認
そして、もう一つ。
非常に重要なのがバックストップです。
弾はイノシシに当たれば、必ずそこで止まるとは限りません。
場合によっては貫通する可能性があります。
だからこそ、
「イノシシの向こう側に何があるのか」
まで確認する必要があります。
今回も、万が一弾がイノシシを貫通した場合でも、その先で弾を受け止められる地形・バックストップがあることを確認しています。
対象だけを見るのではなく、
その手前、周囲、そしてその先まで見る。
これも猟銃を扱う上で欠かせない確認です。
これらを「コンマ数秒」で判断する
今回の動画でぜひ注目していただきたいのは、ここです。
イノシシであることを確認する。
猟犬に当たらないことを確認する。
その先にバックストップがあることを確認する。
そして、
撃てると判断して初めて、引き金を引く。
文字にすると長く感じます。
しかし実際の現場では、イノシシはこちらの判断を待ってくれません。
こちらへ向かってくるイノシシを目の前にして、これらをコンマ数秒の中で判断しています。
狩猟動画では、どうしても「撃った瞬間」が一番目立ちます。
しかし本当に見てほしいのは、
「撃った瞬間」だけではなく、「撃つと判断するまでの瞬間」です。
なぜそこで撃ったのか。
なぜそのタイミングだったのか。
そんな視点でも今回の映像を見ていただくと、また違った見え方をすると思います。
▶ 実際の発砲シーンを動画で見る
https://youtu.be/1w5vrZHC7iY
猟銃は「撃てる」から撃つものではない
猟銃を持って山に入れば、イノシシを見つけたらいつでも撃てる。
そんな単純なものではありません。
対象を確認できない。
犬の位置が確認できない。
射線の先の安全が確認できない。
そのような状況であれば、撃たないという判断も必要です。
チャンスを逃したとしても、安全を優先する。
「撃てるか」ではなく、「安全に撃てる条件が揃っているか」。
現場では、この判断が重要になります。
※狩猟や有害鳥獣捕獲、猟銃の使用には法令・許可・安全管理が関係します。映像を見て安易に行動を模倣せず、必要な資格・許可・安全教育のもとで行ってください。
そして、捕獲したら終わりではありません
今回の動画では、イノシシを捕獲する瞬間に大きな緊張感があります。
しかし、私たちの活動はそこで終わりではありません。
有害鳥獣として捕獲したイノシシも、一つの命です。
食肉として利用できる個体については適切に処理し、できる限りジビエとして「食」につなげる。
これも私たちが大切にしていることです。
山にいたイノシシを、北九州の食材へ
北九州ジビエでは、地元で捕獲されたイノシシなどを適切に処理し、地域の食材として活用しています。
山で捕獲されたイノシシが、
捕獲 → 処理 → 精肉 → 調理 → 食卓
へとつながっていく。
狩猟動画の「その後」には、こうした世界があります。
有害鳥獣として捕獲するだけではなく、その命を可能な限り地域の資源として活かす。
私たちが発信している
「鳥獣被害は食べて解決!」
「鳥獣被害は地域の資源!」
という考え方も、こうした日々の活動から生まれています。
ジビエを食べることも、鳥獣被害を知るきっかけになる
ジビエ料理を食べるとき、その肉がどこから来たのかを考える機会は、それほど多くないかもしれません。
しかし、その一皿の背景には、
山があります。
野生動物がいます。
農作物への被害があります。
捕獲する人がいます。
食肉として処理する人がいます。
そして、料理する人がいます。
今回の動画で捕獲の現場を知っていただき、その先にある「食」にも興味を持っていただければ嬉しいです。
狩猟とジビエは、別々の話ではありません。
山で生きていた命を、地域の食へ。
私たちは、その入口から出口までをできるだけ多くの方に伝えていきたいと思っています。
決定的瞬間はYouTubeで
文章では、あの一瞬のスピード感をすべて伝えることはできません。
イノシシがこちらへ向かってくる。
状況を確認する。
判断する。
そして発砲する。
ほんのコンマ数秒の中で何が起きているのか。
ぜひ実際の映像でご覧ください。
▶ YouTube動画はこちら
https://youtu.be/1w5vrZHC7iY
YouTubeチャンネル
「猟犬たちと九州の猟師【イノシシハンター】」
では、北九州を中心に、猟犬と行う狩猟や有害鳥獣捕獲のリアルな現場を発信しています。
普段はなかなか見ることのできない山の中の世界。
猟犬たちがどのようにイノシシを探し、猟師がどのように判断しているのか。
そして、捕獲した命がどのようにジビエとして食につながっていくのか。
これからも動画を通して発信していきます。
動画が面白かったら、ぜひ高評価・コメント・チャンネル登録をよろしくお願いします。
