
こんにちは、有害鳥獣総合対策センターです。
今回は可愛らしい顔の裏に潜む危険と題して、タヌキが私たちに与える危険性についてご紹介します。
近年、都市化が進み、人々の生活圏と野生動物の生息域が重なることが増えています。
その中でも、特に問題となっているのがタヌキによる被害です。
可愛らしい見た目とは裏腹に、タヌキは様々な問題を引き起こす存在となっています。
目次
タヌキによる被害の実態
農作物への被害
タヌキは雑食性で、果物や野菜などを好みます。
特にスイカやトウモロコシ、ブドウなどの甘くて柔らかい果実は、タヌキにとって格好の餌となります。
そのため、農家にとっては、タヌキによる農作物への食害は深刻な問題です。
住居への侵入
タヌキは床下などに巣を作る習性があります。
住宅に侵入した場合、糞尿による悪臭や、床下を走り回る騒音など、生活環境を大きく損なう可能性があります。
また、糞尿には病原菌が含まれているため、健康被害を引き起こす恐れもあります。
廃棄物処理場の被害
タヌキは、生ゴミや残飯などを漁るため、ごみ収集場にも頻繁に出没します。
ごみ袋を破ったり、ゴミを散らかしたりすることで、衛生上の問題を引き起こすだけでなく、周辺住民への迷惑にもつながります。
交通事故
タヌキは夜行性で、道路を横断することが多いため、車との衝突事故も少なくありません。
特に視界の悪い夜間や早朝は、事故のリスクが高まります。
タヌキ被害が増加する原因
都市化の進展
都市化により、タヌキの生息地が減少し、人との接触機会が増加しています。
餌となるものの増加
人が捨てた生ゴミやペットフードなどが、タヌキにとって新たな餌源となっています。
タヌキ被害を防ぐために
環境整備
生息環境の改善: タヌキが住み着きにくい環境を作る。
餌となるものの除去: タヌキが餌を見つけにくいように、庭や畑に食べ物を放置しない。
ごみ処理の徹底: ごみはしっかりと密閉し、タヌキが近づけないようにする。
物理的な防除:フェンスの設置: 農地や住宅の周囲にフェンスを設置し、侵入を防ぐ。
忌避剤の散布: タヌキが嫌がるにおいの忌避剤を散布する。(※効果は薄い)
超音波発生装置の設置: 超音波でタヌキを追い払う。(※効果は薄い)
専門家への相談
どうしても駆除、捕獲が必要な場合は、害獣駆除、捕獲業者に相談する。
有害鳥獣総合対策センターは、タヌキだけでなく、アライグマ、アナグマ、イノシシ、シカの捕獲許可を得ている数少ない業者です。
増えすぎた有害鳥獣は、適正頭数まで減らす必要があります。
逆に獲りすぎてしまった場合、捕獲をやめ、保護に努めなければなりません。
しかし北九州市において、イノシシ、シカ、アライグマ、アナグマ、タヌキに限っては、毎年、捕獲頭数が達成していない状況ですので、駆除(追払い)はその場しのぎで根本的な解決には繋がりません。
まとめ
可愛らしい見た目とは裏腹に、タヌキは人々の生活に大きな影響を与える可能性があります。
被害を防ぐためには、個人ができる対策はもちろん、地域全体で協力し、行政、専門家とも連携して取り組むことが重要です。
【注意喚起】
- タヌキは野生動物です。むやみに近づいたり、餌を与えたりすることは避けましょう。
- タヌキに遭遇した場合、慌てず静かにその場を離れましょう。
- タヌキに噛まれたり引っかかれた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。